MBA受験体験記 H.A (Full-Time MBA 2020, 金融, 私費)

プロフィール

ハンドルネーム:H.A
属性:34歳(受験時)、私費、出身学部(法学部)性別(女)
職務経験:某邦銀(11年)
海外経験:海外駐在(英国・2年間)
出願校:HKUST(合格)、NUS(結果が出る前に辞退)
GPA:3.1
IELTS:6.5 (L 7.0, R6.5, W6.0, S6.5)
GRE:307 (Q:160、V:147)

学校選定理由(Why MBA, Why HKUST)

入行以来、資産運用業務を中心に英国への海外駐在を含む様々な業務に従事していました。社会人生活10年を経過したあたりから、所属会社だけでのキャリア形成に限界が見えてきたことから、以前より気になっていたMBAに今後のキャリアへの可能性を見出しました。

社内留学制度がなかったため退職私費という手段しかありませんでした。成長著しい地域、中国ビジネスへの興味、また駐在時代に欧州の気候が体にフィットしなかったのを痛感したため、当初より温暖なアジアの学校を中心に学校説明会に参加しました。

バックグラウンドが金融だったため、金融系の授業が充実していること、ダイバーシティ、在校生・卒業生とのコーヒーチャットを通じて、自由な校風に惹かれHKUSTを受験し合格しました。NUSも検討しましたが、国をあげて近年急速にローカルの雇用を守る政策に転換していること、授業がアカデミックすぎる印象を受けたためHKUSTを第一志望としました。

受験準備

IELTSは、TOEFLとは異なり紙ベースの試験で、スピーキングも対人のため取り組みやすかったです。最初は独学で受験していましたが、なかなかスコアアップができなかったため、新宿にあるLINGO L.L.Cに1カ月の短期で通いました。プライベートレッスンでは集中的に自分の弱い部分を克服し、クラスの授業では時間内に正解にたどり着く練習を反復しました。ドメスティックな日本人の場合、リーディング、リスニングで得点を稼ぎ、スピーキングとライティングで平均点をとるというのが一般的な作戦です。こちらの予備校では、膨大な過去問のストックを中心に学習するので、本番の試験と難易度は変わらず質の高い学習ができました。

GREはインターネット上で簡易模試を受けて、あまりの単語の知らなさに愕然とし、しばらくは単語のストックを増やそうと単語の暗記に努めました。Mogooshというアメリカの学習サイトを使ってひたすら問題を解きました。通勤時間や、ちょっとした待ち時間でもスマートフォンさえあればどこでも学習できます。GREに関しては当初予備校を探しましたが、都合に合うところが見つけられなかったので自習でした。(そもそもGMATがメジャーなのであまりない?)Mogooshでは、不明点は質問すればすぐにメールで回答がきます。また、自分の苦手分野に絞った学習もできる設定にできます。仕事をしていると、まとまった時間がなかなかとりづらいので、休み時間などにアクセスしやすいツールは本当に便利です。

スケジュール

16年9月〜12月 IELTS
17年4月~17年12月 GRE

エッセイ

エッセイカウンセラーのJeff Roahに9月に依頼。Edoとも一度ミーティングしましたが、まずGREのスコアメイクをしてみてはどうかと勧められました。スケジュール的にエッセイの作成を先伸ばしすることはできなかったためJeffに決めました。これまでの経験の棚卸しから最初のドラフトを完成するのに1カ月程要しましたが、その後はスムーズに進みました。

推薦状

出願当時所属していた部の上役、以前所属していた部の上役に依頼しました。(いずれも評定上の上司ではありません)私費のため、社内で推薦人を探すのに苦労しました。

インタビュー対策

4日程度で準備したのですが、提出済みのエッセイには既に自分の思いは込めていたので、その思いを淀みなく話しました。オーソドックスな想定問答集を自作し練習。マイチューター(フィリピンの方とのスカイプ英会話)で、作成した質問をしゃべってもらい、回答するという練習を短期集中で何度も繰り返しました。

インタビュー本番

2月上旬に2度、いずれもスカイプでありました。1回目は在校生の方と20分程度、2回目は2人のアドミッションの方と20分程度でした。いずれもオーソドックスな質問でしたが、2回目の最後の方では、入学したクラスでクラスメートと意見の厳しい対立があった場合、どう対処するか、といったことを聞かれました。

キャンパスビジット

していません。していたら、受験勉強中もモチベーションが上がったかと想像しますが、GREや出願書類提出が佳境を迎えているタイミングでは、受験勉強を最優先すべきと考えます。

最後に

退職私費だったため、職場に悟られないように取り組んだ受験はしんどかったです。夜仕事が終わってから、午前3時までGREの勉強とエッセイ作成の二重生活は、私の場合体力的にも気力的にも5カ月集中して取り組むのが限度でした。スコアメイクは余裕を持って取り組むことを強くお勧めします。

仕事をしながらの受験は本当に大変です。仕事場に日中いると頭も体も疲れますし、勉強量に見合わないスコアが出たときは、本当にやる気を失います。また、退職する前提のため、周囲にも愚痴をこぼすことは許されず、ストレスをコントロールすることも学ぶことになると思います。立てた計画は、仕事のスケジュールの都合で日々修正を迫られます。疲労が蓄積されると、何のために厳しい生活を送っているのかわからなくなることもあります。そんなときは、敢えて何も考えず、誤解を恐れずに談ずれば、「努力」を「惰性」に置き換えて、ひたすらやるべきことをやる姿勢を貫きました。努力は報われるとは限りませんし、結果が出たときは思ったより、あっけないものです。しかし、努力がなければ土俵にものれません。受験勉強、みなさん大変かと思いますが、泰然自若の姿勢で頑張ってください。