MBA受験体験記 S.Y (Full-Time MBA 2019, メディア, 私費)

プロフィール

ハンドルネーム:S.Y
属性:34歳(受験時)、私費、経済、男
職務経験:インフラ(2年)、監査法人(4年)、人材メディア(5年)
海外経験:なし(直近の職場で1週間程度の海外出張を複数回)
出願校: HKUST、NUS
GPA:3.62
IELTS:7.5 (L7.5, R8.0, W6.5, S7.0)
GMAT:710 (V35, M50)
出願結果: HKUST(OK)、NUS(OK)

Why MBA

最も端的かつ正直に言えば、死ぬ時に「あの時行っておけばよかった・・・」と後悔しないためです。社会人になって以降、10年近く漠然とMBA留学への憧れはあったものの、何かと理由を付けては諦めてきましたが、ちょうど仕事、プライベートともに一段落つきチャンスが巡ってきたため、思い切って留学を決意しました。また、直近の職務を通じて多国籍な環境で仕事をする機会が増え、その面白さを知るとともに今の自分の未熟さ、限界を痛感したことも、MBAを決意した理由です。

Why HKUST

以下の4つのステップで検討しました。

1.1年か2年か

家族(妻と娘×2)を置いて単身で行くことが決まっていたことと、自分の年齢と今後のキャリアを考え、まず2年プログラムは除外しました。結果、USがほぼ除外され、欧州かアジアに絞られました。

2.欧州かアジアか

①マーケットの将来性、②まだまだ日本には欧米のMBA卒が多い中での卒業後の自分の差別化、③地理的に近く時差がないこと(=家族とのコミュニケーションが容易)、④実際に香港とシンガポールに訪問してみて、アジア人の一人として直感的に欧州よりも遥かに自分にフィットしたこと、の4点を理由にアジアに絞りました。まず③は個人的にはとても重要で、あと①と②も勿論ですが、学生生活だけでなく長きに亘り今後のキャリアにも直結する可能性を考えると、論理的ではないものの、実は地域へのフィット感(④)も非常に重要と考えました。

3.シンガポールか香港か

アジアでは、当初からシンガポールと香港に絞り検討しました。シンガポールと香港の比較では、実際に双方訪問し、シンガポールは非常に住みやすく魅力的な都市と思ったのですが、一方で洗練されすぎている印象もあり、単身で新しいことを挑戦しに行く場としては少し物足りないように感じました。対する香港は、洗練された大都市であると同時に、まだまだ各所で混沌としており、また良くも悪くも中国本土の影響も強くなってきていることから、今後も日々変化がありそうな、そうした魅力を感じたため最終的に香港を選びました。

4.どの学校か

香港内では、アジアMBAとして常にランキング上位にあるHKUSTと知名度抜群のHKUで悩みましたが、これは実際にキャンパスビジットをした際の全体的な印象と、やはりランキングが決め手となり、最終的にHKUSTに絞りました。

受験準備

スケジュール

(2015年)

・6-8月:独学でTOEFLを勉強→Total100を取るも留学そのものの目途が立たず、以降2016年3月まで中断。

(2016年)

・3月:留学を改めて決意し情報収集開始、及び独学でGMAT。
・4-5月:独学では拉致があかず(特にVerbal-SC)、濱口塾でGMAT対策。目標クリア。
・6-7月:独学でIELTS。目標クリア。
・8月:スコアが揃ったことで完全に気が抜けて惚けてしまう。
・9月:気を取り直しキャンパスビジット、エッセイ、推薦状、その他必要書類の準備。エッセイと推薦状は濱口塾を活用。
・10-11月:NUS, HKUSTにアプライ。両校からオファーを貰い終了。面接対策も濱口塾(提携しているMatthewとの模擬面接)。

アドミッションスタッフとのコネクション

東京で開催する説明会を調べ複数回参加した後、CVを持ってHKU, HKUST, NUS, NTUにキャンパスビジットをしました。目的は国、街及びキャンパスの雰囲気を知ることと、コネクション作りです。特にHKUSTはアドミッション複数名とFacebookで繋がり、以降質問等あれば個別に連絡を取り合うようになりました。また日本人の現役生を紹介してもらい、面接までの色々な局面でサポートして頂きました。

TOEFL/IELTS

TOEFL/IELTSについては色々な方が色々な場所で勉強法を書いているので簡潔に記載します。海外経験のない純ドメかつ独学者の個人的な感想として、やはりTOEFLよりIELTSのほうが点数は取りやすく感じました。一方で、特にスピーキングは良くも悪くも試験官との相性や主観で点数がブレる印象があり、スコア作りにあたっては複数回の受験を想定したほうがいいかもしれません。

(以下お勧めの参考書/ウェブサイト等)

  • TOEFLテスト英単語3800(旺文社)
  • 新版TOEFL TEST対策iBTライティング(テイエス企画)
  • IELTS-Simon (http://ielts-simon.com/):元IELTS試験官のSimon氏が運営する無料サイトで特にライティングが秀逸。

GMAT

TOEFL/IELTSと同じく簡潔に記載します。一言、濱口塾に尽きます。友人の勧めで入塾しました。私も自信を持ってお勧めできます。GMAT、エッセイ、面接対策で計100万近くしましたが、費用対効果は抜群でした。

テスト自体はMathもVerbalもタイムマネジメントが非常に重要なので、とにかく繰り返し、本番と同じ分量の練習問題を解いて時間の感覚を身に付けました。練習問題は基本的には濱口塾のものを解き、本番の前日と前々日に1回ずつ、公式のGMAT Prepを解きました。

エッセイ

こちらも濱口塾のみ活用しました。初稿はことごとく濱口先生にダメ出しをされ結構堪えましたが、先生のアドバイスに基づき修正し、3~4回のやり取りで完成しました。英訳について、日本語で書いた私の意図を濱口先生が英訳をしてくれた上で、提携しているインタビューカウンセラーのMatthewにネイティブチェックをしてもらいました。

内容としては、過去に多国籍プロジェクトを率いた経験と、現職(管理職)でのマネジメント経験を軸に書きました。

インタビュー

NUSのインタビュー前に3回、HKUSTの前に1回で計4回、濱口塾と提携しているMatthewのカウンセリング/模擬面接を受けました。こちらもクオリティ高いです。

具体的には、月並みですが「将来のありたい姿」と「現在の自分」を語り、その間の「ギャップ」が何であるかを明確にした上で、その「ギャップ」を埋めるための手段こそがその学校のMBAである、というストーリーを十分に固め、思考を深めました。結果、どんな角度から質問がきても一貫したストーリーに基づいて話せるようになりました。

HKUSTの本番の面接は、香港のキャンパスで開いた説明会に参加しそのままキャンパスで、アドミッションの責任者とNo.2の2名と対面で行いました。

推薦状

HKUSTは現職の上司と現職の元上司、NUSは現職の上司と元職場の元上司に依頼しました。内容としては、エッセイのシナリオと一貫性を持たせた上で、アピールしたいポイントのうちエッセイでは個別に聞かれず十分に記載できなかった内容について推薦状に記載するよう心がけました。最終的に各推薦者に内容を確認してもらい、推薦者から送付してもらいました。

最後に

振り返ると、必須ではありませんが事前のアドミッションとのコネクションはとても重要と感じています。少なくともHKUSTの場合、こちらから積極的に働きかければ気軽に繋がることができます。

仕事やプライベートが忙しい中、留学の準備はなかなか大変だと思いますが、やると決めたらとにかく短期決戦で一気に終わらせるのがよいと思います。何かに挑戦するのに遅すぎるということはないです。頑張ってください。