MBA受験体験記 M.O (Full-Time MBA 2019, 監査法人, 私費)

プロフィール

属性:37歳(受験時)、私費、経済学部、男
職務経験:SIer(6年)、ITコンサル(7年)、監査法人(1年半)
海外経験:なし
出願校:HKUST(OK)、CUHK(OK)、HEC(NG)
IELTS:6.5
GMAT:670

Why MBA

MBAを目指した理由は大きく3点あります。

①海外での生活

今まで海外には旅行でしか行ったことがなく、人生経験として1度は海外で生活したいと考えていました。

②今まで会ったことない人々に出会う

仕事で海外に行くと、どうしても同じようなバックグラウンドの人々としか出会えないと考え、ダイバーシティのある環境で、かつ今後のキャリアにプラスになることを考慮して、海外のMBAに行くことを選択しました。

③エネルギーに関する知見を海外で知る

数年前からITからエネルギー関連にキャリアをシフトしたこともあり、改めてエネルギー関連の知識の習得やネットワークを広げる機会を持ちたいと考えていました。また、エネルギーに関する日本国内の報道等で得られる情報と、海外で発信されている情報とのギャップを感じ、海外の状況を直接知る機会にしたいと考えました。

Why HKUST

上記のことを考え、当初はヨーロッパのMBAを中心に検討していました。ただ、長期的な目標を考えた際に、エネルギーのニーズが高まるのはヨーロッパ等の先進国ではなく、アジアを中心とした今後発展していく国であり、その国々の人々と将来的に仕事をしたいと考え、アジアMBAを中心に出願することにしました。アジアMBAの中で選択する際に重視したのは①ダイバーシティ、②エネルギー関連、③レピュテーションです。その上で、HKUSTが一番適していると考えました。

①ダイバーシティは各説明会等の内容を比較した限り、HKUSTはアジアMBAとしてはアジア系だけでなく、欧米系の学生も多く、多様性のある環境なのではないかと考えました。

②エネルギー関連の授業はありませんが、クラブ活動やexchangeプログラムを活用することで、目的を達せられるのではないかと考えました。なお、exchange先は公式HPに掲載されていますが、選択肢は多いほうだと思います。

③レピュテーション、ランキングは今後のキャリアを考える上で、考慮が必要だと考えました。

受験準備

スケジュール

出願は2ndラウンドで、1月上旬にEssay等を提出、1月中旬にInterview 2回、1月下旬に合格通知を受け取りました。上記に記載したHKUSTを含む3校以外にも1,2校出願の準備をしていましたが、想定よりも早く合格通知を受け取ったため出願を取り止めました。

アドミッションスタッフとのネットワーキング

HKUST入学後、同級生に聞いたところ、多くの人はアドミッションスタッフとのネットワーキングを作っていたようです。しかし、複数の学校が集まる説明会等で話を聞いていましたが、上記の通り、当初アジアMBAをそれほど考えていなかったので、アドミッションスタッフとのネットワーキングを作っていませんでした。ただし、第一志望とした後は、アドミッションスタッフ等に連絡を取ったりはしませんでしたが、キャンパスビジットを行ったりして、HKUSTで勉強するイメージを具体的にしていきました。また、キャンパスビジットしたかとInterviewの際にも質問されたので、少しでも合格する確率を高めるという点においても、訪問しておいて良かったと考えています。

TOEFL/IELTSの取り組み方法

多くの人が1~2年程度で目標スコアを取っているようですが、私の場合は倍以上の年月を掛け、かつ目標スコアに達しないまま終えました。下記の方法は最終的に有効だったなと思えることを中心に書いています。なお、TOEFLでは点数が伸びなかったため、途中でIELTSに変更しました。特に30歳を過ぎてからMBAを目指す純ドメ(海外留学等のない方々)にとって少しでも参考になればと思います。

①単語

iKnow(https://iknow.jp/) 

当初は各種TOEFL対策の単語帳で勉強していましたが、どうしても覚えられませんでした。その中で、このサイト、アプリを見つけました。覚えが悪い単語は何度も出てくるので、毎日一定時間取り組むことで、単語力をアップできたと考えています。なお、単語帳と比べるとお値段は少々高めですが、長期で勉強することを考え、Lifetimeプラン(永年コース)を選択しました。

②Reading

基本的には公式本の問題を中心に取り組みました。単に問題を解くだけでなく、理解できなかった文章の分構造を確認したりしました。なお、キリがないと思ったため、不明な単語を調べることはあまり行いませんでした。

③Listening

基本的には公式本の問題を中心に取り組みました。こちらも問題を解くだけでなく、聞き取れなかった部分を何度も聞き返すようにしました。また、Speakingの練習も兼ねて、シャドーイングにも取り組みました。私は苦手意識が強すぎてあまり実施しませんでしたが、ディクテーションを行っていた人の方が、飛躍的に点数が伸びていたようです。

④Writing

IELTS Writing Task 1 and 2 (http://www.ieltsanswers.com/ielts-writing-task-1-2.html)

上記本をネットで購入し、まずは各パターン別の書き方を学びました。また、このサイトでは有料ですが比較的安い価格で添削もしてくれるので、何度か添削を依頼しました。

⑤Speaking

IELTS Speaking Success (http://www.ieltsanswers.com/speaking-ielts.html)

上記本をネットで購入し、まずは各パートでどのような質問と想定される回答をするのかを学びました。その上で、いくつか想定回答案を検討しました。

Skype英会話

私生活、仕事ともに英語を話す機会がなかったので、月6,000円程度のSkype英会話を2年ほど続けました。IELTSに関する練習だけでなく、News等に関するトピックについて会話するなどして、会話すること自体に慣れるようにしました。また、毎回ではありませんが、自分の会話を録音して、会話のクセを把握し、直すようにしました。

GMATの取り組み方法

AGOSでGMATセットを受講しました。そのため使った教材はAGOSのものと公式本です。目標点を超えることができましたが、勉強の成果に伴って点数が出たとは言いづらいというのが本音です。

①Verbal

AGOSの講義とテキストを中心に取り組みました。SCとCRはどのような理由で正解なのかを、理解できるまで何度も解説を読みました。RCは問題文によっては全く理解できないこともあり、AGOSで習った消去法で回答を選択するようにしました。また、IELTSと比べて、かなりの単語力が必要となるため、上記のiKnowで単語力を高めました。

②Quantitative

比較的数学は得意だったため、質問の内容が理解できさえすれば、当初からほとんど解けました。ただし、英語力の問題で、質問自体が理解できないことが多々あったため、使われる単語と言い回しに慣れることを目的として、AGOSのテキストと公式本の問題を解く練習を行いました。ただし、数回GMATを受けましたが、ある程度勉強した後でも、点数は変わりませんでした。

③AWA

IETLSのWritingのTask2と同じような問題だととらえ、AGOSの講義以外はGMAT用に勉強はしませんでした。そのためか、点数はほぼ毎回同じでした。

④Integrated Reasoning

公式本の問題をいくつか解いただけでした。点数もほぼ毎回同じでした。

エッセイの取り組み方法

個別の学校のエッセイに取り組む前に、日本語でWhy MBA、Short-term goal、Long-term goalを検討しました。その際、とあるエッセイ対策の業者とエッセイ作成に取り掛かったのですが、相性が悪く、その業者と進めることをやめました。Why MBA、Short-term goal、Long-term goalはある程度検討できていたので、内容よりも英語の側面でネイティブに見てもらうことを重視し、かつ比較的高くないIvy League Consultingに依頼しました。こことは途中まで作成していたエッセイを元に英語で議論(直接面談、Skype)して、内容を固めていきました。

推薦状の取り組み方法

推薦状は前職の上司と当時の同僚の2人に依頼しました。事前に内容を議論した上で、書いていただきました。両名とも英語を多く使う方ではなかったので、日本語で書いていただいた内容を元に、Ivy League Consultingと相談しながら、英語の推薦文を完成させ、それらを推薦状としていただきました。

インタビューの取り組み方法

エッセイ等を提出した約1週間後にインタビューの案内が来たため、そこから1週間程度で準備をしました。基本的にはWhy MBA、Short-term goal、Long-term goal等のエッセイに書いた内容を話せるように準備しました。また、Ivy League Consultingから提供された、インタビューの想定質問に対する回答案を準備しました。その上で、Ivy League Consultingの担当者とだけでなく、Skype英会話で模擬練習をしました。

インタビューはSkypeで2回、現役の学生とアドミッションオフィススタッフの方でした。想定質問にないような特殊なことは聞かれませんでした。時間はそれぞれ30分程度でした。

最後に

MBAに本格的に行くことを決めた時点から若くはなく、IELTS対策等にかなり年月がかかったため、MBAに行くこと自体もどうするか迷うことは多々ありましたが、今のところ来てよかったなと思えています。この体験記を書いているのはHKUSTに入学して1か月程度たったころであるため、目標としていたことがすべて実現できるかは、まだまだ分からない状況ですが、可能性はあるなと実感できています。すべての人にとってMBAが必要とは思いませんが、MBAやHKUSTに興味がある人にこの体験記が少しでもお役に立てれば幸いです。