MBAビジネスコンペティションへの挑戦

ビジネスコンペティションは、MBA各スクール代表チームが事業提案・プレゼンで競い合う大会です。HKUST MBAでは、授業で学んだ理論やプレゼンテーションスキル・チームワークスキルを実践する場として、世界各地で開催されるコンペティションの参加に授業の一環として力を入れています。ビジネスコンペティションとHKUSTでの活動の様子を紹介します。

ビジネスケースとビジネスプラン、世界の強豪MBAが集まる

ビジネスコンペティションは大小様々なコンペが世界中で行われており、大きく、実在の企業が持つ課題・ビジネスシナリオを題材とするビジネスケースコンペティションと、主催者側が提示するテーマに対して自らのビジネスプランを提案するビジネスプランコンペティションの2種類があり、いずれも、3、4名のチームで参加します。世界中のビジネススクールから50チーム以上集まる大会もあれば、事前の審査を突破した精鋭数チームだけを集める大会まで、形式は様々です。MBA留学中にビジネスコンペティションに参加する意義は、下記のようです。

  • 各MBAスクール精鋭チームが集まるので、MBA授業で学んだことの実践、自分の実力を試す
  • 各MBAスクールの学生や主催者とのネットワーキング、人脈形成の機会
  • 自らのビジネスプランから起業に向けた足がかりを作る、投資家獲得、メディア露出
  • 長期にわたりチームで準備活動するためHKUSTクラスメイトとの結束を強める

HKUST MBAでは、7、8割の学生はいずれかの大会に参加しており、ハーバード、ウォートン、ケロッグ、MIT、NYUスターン、コロンビア、UCバークレー、LBS(ロンドンビジネススクール)、INSEAD、IESE等の他のトップMBAスクールと競います。多くの大会では優勝すれば賞金が出るほか、メディアへの露出、ビジネスプランコンペティションでは勝てば創業資金の援助が出ることもあります。

HKUSTからのビジネスコンペティション参加、準備と支援

HKUST MBAではMBA授業での学びの実践の場としてビジネスコンペティションに参加することを推奨しており、ビジネス提案を鍛えあげるトレーニング集中授業や、アドバイザーとして1チームに教授が1人アサイン、コンペティション参加も授業クレジットとして認定されるなど、スクール内での一大イベントになっており、任意参加ながらも、7,8割の学生が参加しているということからもその人気が伺えます。結果、毎年多くのコンペで上位入賞を果たしています。コンペティションまでの大まかな流れは下記の通りです。

  • 学内コンペティションに向けたルール・チーム編成の説明会(10月)
  • 学内コンペへのチーム編成、エントリー(11月上旬)
  • 学内コンペのビジネスケース発表、コンペ開催、各チーム順位発表(11月中旬)
  • 上位チームから参加コンペの決定、アドバイザーの教授アサイン開始(12月上旬)
  • 各チームごとにコンペ参加に向けた準備(12月中旬〜コンペ参加まで)
  • ビジネス提案集中提案合宿プログラム(Enhancing Professional Skills, 1月)
  • ビジネスコンペへの参加(主に2、3月)

学内コンペへのチーム編成は自分たちですることができ、原則そのままのチームでHKUST代表として各ビジネスコンペへ参加します。チーム編成では、一定のダイバーシティ等の条件があります(チーム内の国籍がいくつ以上等)。1チーム、原則参加するビジネスコンペは1つで、HKUST代表として参加します。

参加するビジネスコンペティションが決まった後は、アドバイザーの教授との定期的なミーティングや卒業生で過去参加したチームからのフィードバックをもらう等、準備を進めていきます。ビジネスプランの場合は、プランの作成やプレゼンの練習、ビジネスケースの場合は過去大会のビジネスケースでのシミュレーション等を行います。多くのチームが学内コンペからビジネスコンペ参加までの3,4ヶ月に渡り多くの時間を過ごし、最後のはそのメンバへビジネスコンペに参加するために旅をするという一連の流れで強い結束力が生まれるのもビジネスコンペ参加の醍醐味です。

HKUSTからのビジネスケースコンペ参加の様子

2013年の学内コンペでテーマとなったのは中国No.1ジュエリー販売チェーンの「周大福」。同社役員を審査員として招待し、内容とプレゼンスキルを競いました。チームはHKUSTらしくダイバーシティを重視しながら自分達で組むことになり、例えばあるチームは中国人・アメリカ人・インド人・ドイツ人・日本人という構成でした。2013年の学内コンペは日本人学生が所属するチームが優勝、3位、5位と3つも上位に入賞することができました。

学内コンペを経て選抜された各チームは、アメリカ、スペイン、オランダ、ブラジル、ドバイ、シンガポール、上海など世界中で行われるコンペティションにHKUST代表として参加します。大会中はプレゼンをするだけでなく、ウェルカムパーティーなどで他のトップスクールの学生と交流することができ、人脈を世界に広げることができます。以下は2013-2014年にHKUSTが参加したCompetitionの例です。

  • Odyssey Global MBA Competition (ニューヨーク)
  • USC Marshall Global Consulting Challenge (ロサンゼルス)
  • IESE Roland Berger International Case Competition (バルセロナ, スペイン)
  • The Haskayne 24 Hour Case Competition (カルガリー, カナダ)
  • Hult Prize – Healthcare Challenge (サンパウロ)
  • The Case – MIT Centre for Real Estate Competition (ボストン)
  • Wharton MBA Buyout Case Competition (ペンシルバニア)
  • RSM Private Equity Case Competition (アムステルダム, オランダ)


日本学生いるのチームでの大会実績(抜粋)

<HKUST 初主催>Global MBA Challenge 2016

4月にHKUST主催のGlobal MBA Challenge(ビジネスケースコンペ)が開催されました。 ケースコンペの開催はHKUSTとして初めての試みで、スポンサーやトップスクールの誘致、2日間のプログラム設計、及びビジネスケースの作成など多くの課題がありましたが、有志の学生が主体となり無事ケースコンペの実施にこぎつけました。

2016年では、メインスポンサーであるBaume et Mercier (ラグジュアリー時計) に対して、

  • Flash Case:中国進出に当たってのデジタルマーケティング手法の提案
  • Negotiation:広告業者との契約更新
  • Strategy:香港・マカオでの売上向上と中国進出を踏まえた販売戦略の立案

といったトピックで競い合いました。

開催前日のオープニングセレモニーから最終日まで、プレゼンテーションだけではなくランチ・ディナーを共に過ごしたことで、多くの参加者が人脈を広げることができました。アメリカ・ヨーロッパ・アジアのトップスクールが多数参加していることもあり、最終日のNegotiationラウンドは特に白熱し、各校の特色を楽しむこともできました。

このコンペには日本人メンバーも積極的に関わっており、Intake2015のYusukeがコンペティターとして、Kazuがカメラマンとして参加しました。アジアを代表するケースコンペティションとして、次年度以降の学生にも積極的に関わってもらえることを期待しています!

参加校一覧

  • 北アメリカ: UCLA (2 teams)/ Tuck
  • ヨーロッパ: ESADE/ LBS
  • アジア: CEIBS/ CUHK (2 teams)/ HKUST/ Tinghua-MIT

コンペティション結果

Flash Case on Day 1 (25% weighting)
4th place: CUHK Team 1
3rd place: HKUST
2nd place: Tuck
1st place: CEIBS

Negotiation Round on Day 2 (25% weighting)
4th place: UCLA Team 1
3rd place: CUHK Team 2
2nd place: UCLA Team 2
1st place: Tsinghua-MIT Global MBA

Strategy Round on Day 2 (50% weighting)
4th place: UCLA Team 1
3rd place: CEIBS
2nd place: HKUST
1st place: The ESADE MBA

Grand Champion
3rd place: UCLA Team 1
2nd place: ESADE
1st place: It’s a tie!!! HKUST and CEIBS

Haskayne MBA 24 Hour EPIC Case Challenge 2016(ビジネスケースコンペ)

University of Calgary, Canadaで開催される24時間耐久コンペで知られている大会です。カナダに関連したトピックであることに加えて、利益だけではなく環境的意義や社会的価値も見出せる解決策(Triple Bottom Line)を提案するところに特色があります。

2016年では、石油価格の下落により経済が落ち込んでいるカナダをどのように改善していくか短期、長期的なプランを提案してください、といったテーマでした。雇用率の低下、不動産バブル、移民問題などの背景を考慮しつつ、観光・教育・テクノロジーの3つの観点から提案しました。政府関係者、地元銀行・EYグループといったスポンサーや企業家などバラエティに富んだジャッジでしたが、HKUSTで学習した内容のフル活用と出来るだけ多くのデータを集めたことが功を奏し、見事、優勝することができました。

カナダの強豪校が多数参加する中、HKUSTは2015-2016と2年連続で優勝しています。ビジネスケースコンペでの連覇は非常に稀(HKUSTでは初)であるため、今後の活躍にも期待しています!また、アルバータステーキ、赤ワイン、地ビールなど、大会以外の部分でもかなり楽しめました。寒いのが極端に苦手でなければお勧めしたいコンペの1つです!

USC Global Consulting Challenge 2014 (ビジネスケースコンペティション)

University of Southern Californiaで開催される、コンサルティング系のケースコンペで最も伝統ある大会の一つです。アメリカのYAHOO!幹部に向けて今後の戦略を提案し、Wharton, Columbia, Chicago Booth, UCLAなどの米トップ校を抑えて無事優勝をおさめ、トロフィーと$10,000を手にすることができました。チームメンバーとの妥協のないディスカッションや米大企業幹部に直接プレゼンをした経験は、MBAの中でも特に大きな財産の一つです。

CEIBS-VANKE INNOVATEChina 2014 (ビジネスプランコンペティション)

Mobile internet や New Lifestylesに関連したビジネスのコンペティションがCEIBSで開催されました。INSEAD, ISB, CEIBS, Yale, Rotman, HKUSTがファイナリストとして勝ち進み、300人以上の観客とTVカメラの前でファイナルプレゼンを行い、HKUSTのチームが優勝することができました。これだけの観客規模の前で、英語でのプレゼンは正直緊張しましたが、自信につながりました。コンペティションにおいては、MBAで得た知識を活かしながら、マイルストーン設定/実行など実業務に近いプロセスを踏む為、学びが非常に多いです。